動物病院には、一般外科や消化器科、泌尿器科、眼科、整形外科のようにたくさんの診療科があります。ペットを飼うにあたって、去勢や避妊などをはじめとして、思いがけない怪我や病気をしたときには手術が必要になるケースがあります。今回は、ワンちゃんの手術にはどういったものがあるのかを理解しておきましょう。
一般外科
一般外科で行われる手術は次のとおりです。
避妊去勢手術
飼い主さんの多くが体験するであろう去勢避妊手術は、望まない繁殖や高齢時に起こりやすい病気の予防やホルモン依存症などによって起こりやすい病気への対策を行います。子犬や子猫の段階で実施しておくことで、マーキング行動の抑制や軽減にもつながります。
腫瘍切除
腫瘍の根治などを目的として行う手術です。腫瘍がどこにあるのか、どこまで切除するかを考えて慎重に行う必要があり、腫瘍を病理検査に出すことで腫瘍の種類などを知ることができます。さらに、今後の治療に関する方向性などを考えるためには切除をしっかり行わなければなりません。
肝臓腫瘍摘出
肝臓の腫瘍を切除する必要がある場合に行うものです。転移がなく腫瘍が取り除ける場合については、切除して完治を目指します。切除しきれない場合には、切除して検査に出すことによって腫瘍の具体的な診断ができるため、今後の対応を考えることが可能です。
乳腺腫瘍切除
乳腺腫瘍切除は、様々な腫瘍の中でも乳腺に発生したものを摘出する手術です。発生部位や発生数に応じて切除を行い、摘出した腫瘍は検査機関に送付することで良性か悪性かを判断することになります。なお、結果としてどちらだったとしても、腫瘍を完全に取り切ることができれば完治を目指すことは可能です。
帝王切開
難産であることが予想される場合に行う手術です。誰よりも母体への負担が大きく、子供の生存率も下がる可能性があるため手術を行う場合には早急に実施しなければなりません。
ワンちゃんについても、帝王切開が行われるケースは少なくありません。
眼科
眼球摘出手術
眼球摘出手術は、思いがけない事故や怪我、何かしらの外傷などによって眼球が飛び出てしまったり角膜が破けてしまったという場合に行われます。眼球を摘出することで、痛みを取り除くことができるため慎重に判断して行います。手術後は、点眼処置などをする必要もなくなります。
義眼手術
緑内障の進行等によって、視力が喪失し眼圧がコントロールできない場合には、眼球摘出の後に義眼手術を行うことになります。シリコン製の義眼を挿入することになりますが、ドライアイや角膜潰瘍になる可能性がありますので、注意が必要です。
緑内障・網様体レーザー法
緑内障の内科治療を軽減することを目的として行います。動物の負担を減らしつつ、眼球内の毛様体と言われる部分にレーザーを照射することで治療ができます。
歯科
口内炎治療
犬や猫は、重度の口内炎になることがあります。その結果として歯根部の顎の骨の一部が溶けてしまっていることがあるため、レントゲン検査で口を見ることになります。具体的な治療法としては、口内炎の悪化の原因となる部分の治療や臼歯を抜く手術を行うことで、口内炎がない状態を心がけましょう。
歯石除去
歯石除去はスケーリングとも呼ばれ、全身麻酔を行って歯石を除去し、研磨剤で歯の表面をなめらかに整えることで、口臭の改善や歯肉炎の改善などが認められます。手術後は定期的な歯磨きなどのケアも行いましょう。
口腔内レーザー照射
軽度の口内炎治療や臼歯抜歯後の治療にレーザーを用います。基本的には麻酔なしでの治療が可能なため、ペットに負担なく確実な治療を受けさせることができます。また、レーザー照射で炎症を緩和させ、痛みを取り除いていきます。治療が進むと食事量なども改善することから、様子を見ながら治療頻度を検討していきます。
犬歯カット
噛み癖の強いワンちゃんやネコちゃんがいる場合には、犬歯の先端を切除します。また、奥歯と高さを合わせて切断面に詰め物を行います。手術後に感染が起きる場合は一時的に抗生物質の投薬で感染を抑えることもあります。
手術がいるかどうかは冷静に判断を
手術に関して大切なことは、本当にその手術が必要かどうかを確実に医師と一緒に相談することです。獣医師に任せっぱなしにすることなく、積極的に考えるようにすることを忘れないようにしてください。
全ての病気や怪我に手術が必要なわけではありませんが、逆に早く決断しなければならないこともありますので、一人悩まず一緒に検討していきましょう。
ファミー動物病院
山口県防府市のファミー動物病院では日本動物病院会(NAHA)指定病院であり、大勢の獣医師と動物看護師が在籍しているファミー動物病院では、健康で豊かな生活の実現を合言葉に、幅広い獣医療を行なっています。
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