去勢・避妊の目的や重要性
ペットを飼うとなると、どうしても直面する問題が「避妊」や「去勢」の問題です。現在、およそ7割のわんちゃん、ネコちゃんが受けているという避妊ですが、どういった目的で行うのでしょうか。
去勢や避妊の大きな目的は、病気の予防です。子宮蓄膿症や乳腺腫瘍、睾丸腫瘍などの様々な病気の発生を抑えられるほか、性ホルモンなどによって病気が悪化する可能性を断つことができるため、できるだけ早い段階で受けることを推奨されています。
また、メスのワンちゃんの場合には発情時に陰部から出血する恐れがあるため、避妊をしておくことで様々な問題を回避することができます。
去勢・避妊のメリットデメリット
ここからは、去勢や避妊を行うことのメリット・デメリットを解説します。大切な家族を守るためのきっかけとして、しっかり理解しておきましょう。
メリット
①特有の病気を予防できる
去勢・避妊をしっかり行うことで、オスメス特有の病気を防ぐことができます。メスであれば乳がん(乳腺腫瘍)や子宮内膜炎、子宮蓄膿症の発生率をおさえることができるほか、卵巣そのものを取り除くことによって防ぐことができる病気もあります。
メス特有の病気には命に関わるものもあるため、できるだけ防げるものは処置しておきましょう。
また、オスに関しては精巣腫瘍や前立腺疾患、肛門周囲の腫瘍などの発生率を抑えることができるため、とても有効です。
②発情期のストレス軽減(メスの場合)
去勢や避妊によって発情期がなくなるため、性的なストレスが軽減されます。また、発情後に乳腺が腫れたり巣作り行動してしまうことや体調変化も抑制できるため、穏やかに過ごしてもらうことができます。
③問題行動を抑えられる
オス特有のマーキングやマウンティング、遠吠え、ケンカなどの行動を抑えることができるようになります。
オスの本能である尿マーキングなどの改善も期待できることから、去勢手術を行っておく価値はあると言えるでしょう。
ただし、これらは100%抑えられるわけではありませんので、効果が少ない可能性があることも覚えておいてください。
デメリット
①全身麻酔をしなければならない
去勢・避妊手術のデメリットの一つは、全身麻酔による手術が必要ということです。現状、全身麻酔にはリスクがないわけではありませんので、「リスクがある」ということを意識して手術を受けるようにしなければなりません。
②繁殖できなくなる(ドッグショーの出場ができない)
生殖機能を取り除くので、子どもを産むことはできなくなります。また、ドッグショーは繁殖する犬が評価されるため、去勢・避妊をしてしまうと出場権がなくなってしまいます。
③手術後のストレス
去勢・避妊手術の後は、エリザベスカラーをつけたり縫合部の痛みでストレスを感じることがあります。それらのサポートをしてあげる必要があります。
④ウィルスなどへの感染
手術や術後のストレスなどをきっかけとして、細菌に感染してしまう恐れがあります。衛生管理や感染症予防を心がけましょう。
手術後に気をつけること
去勢・避妊手術をした後は、性ホルモンが分泌されなくなります。そのため、活動量が減ったり基礎代謝量が低下します。しかし、それでも食欲は増すことがあるため、食事コントロールをきっちりしないと肥満になってしまうのです。
手術後は様子を見ながら、適正体重がキープできるような食事を用意してあげるようにしましょう。
去勢・避妊については気軽にご相談ください
手術は、麻酔やメスを入れるなど心配なことがあるかもしれません。そのお気持ちは当然のことと思います。
少しでも不安なことや気になることがあれば、いつでも当院までご相談ください。
山口県防府市のファミー動物病院では日本動物病院会(NAHA)指定病院であり、大勢の獣医師と動物看護師が在籍しているファミー動物病院では、健康で豊かな生活の実現を合言葉に、幅広い獣医療を行なっています。
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