取り返しのつかないことになる前に動物病院で治療を始めましょう。今回は猫ちゃんにしこりが見られた時に考えられる病気について解説していきます。
しこり・腫瘍とは
しこりや腫瘍は何らかの体の異常によって発生します。できもののような炎症によって起こる場合もありますし、癌が原因でしこりや腫瘍ができることもあります。
腫瘍の中には、転移せず健康に影響がない良性のものと、大きくなることで健康に悪影響が出る悪性のものがあります。
しこりや腫瘍の原因として考えられる病気
猫ちゃんにしこりや腫瘍ができた際、考えられる病気について解説していきます。
炎症性の腫瘤
細菌や真菌感染などにより炎症部位が腫れて硬くなることがあります。
炎症が長引くとマクロファージといった免疫担当細胞が集まり、慢性的な炎症が続きます。
炎症性の主流の場合は、痛みがあり肉眼で観察できるほど赤く腫れます。
過形成
正常な細胞が何らかの刺激によって過剰に増殖し、組織が大きさを増した状態のことを過形成と言います。
過形成によって見られるしこりは、痛みがないことがほとんどです。他の組織を圧迫するような悪影響がない限り良性です。
腫瘍
細胞が過剰に増殖する状態を腫瘍といいます。いわゆるがんと言われるものです。
腫瘍は良性と悪性に分類されます。細胞の増殖形態、増殖速度、転移性によって良性か悪性か判断されます。
良性腫瘍は、他の正常な組織を押しのけて増殖し、周囲の細胞との境界が明瞭であることが多いです。増殖速度が遅く転移性がありません。
一方、周囲の組織に入り込みながら増殖し、周囲の細胞との境界も不明瞭です。増殖速度が早く転移性があるのが特徴です。
猫によく見られる腫瘍
良性腫瘍
猫によく見られる良性腫瘍は、乳頭腫や脂肪腫、毛芽種があります。どの腫瘍もほとんどの場合痛みがなく、皮膚城谷皮膚の直下にできるのが特徴です。
また、猫ちゃんにはワクチン接種後にワクチン誘導性肉腫と呼ばれる腫瘍が見られることがあります。
これはワクチンに含まれる成分が原因だと考えられています。ワクチン誘導性肉腫は、ワクチンを打つ場所を毎回変えることで予防することができます。
悪性腫瘍
猫ちゃんの悪性腫瘍は、リンパ腫、肥満細胞腫、乳腺腫瘍、扁平上皮癌がよく見られます。
それぞれ詳しく説明していきます。
「リンパ腫」
名駅を担当している細胞であるリンパ球が、癌化したものをリンパ腫と言います。
ネコ白血病ウイルスや猫免疫不全ウイルスに感染することでリンパ腫の発生するリスクが高まります。
「肥満細胞腫」
猫ちゃんに発生する肥満細胞腫の中で、内臓に発生するものの多くは悪性です。肥満細胞腫は様々な場所に腫瘤が認められる可能性があります。
「乳腺腫瘍」
乳腺腫瘍は避妊手術をしていないメス猫に多くみられます。避妊手術を行っていないねこは、行なっている猫に比べ、乳腺腫瘍の発症率がおよそ7倍になるというデータがあります。
乳腺腫瘍にならないためにも、愛猫に避妊手術を行いましょう。
「扁平上皮癌」
扁平上皮癌は猫によく見られる腫瘍です。耳、鼻すじ、まぶたなど日光にさらされる部位での発生がよく見られます。
特に毛色が白い猫に多く見られるため、白猫を飼っている飼い主さんは注意しましょう。
猫にしこりや腫瘍がみられたらすぐに病院へ
人間と同様に猫ちゃんも年を重ねるにつれて癌を発生するリスクが高くなります。
飼い主さんが猫ちゃんにしこりを見つけ、早めに動物病院に連れて行くことでがんの早期発見・治療に繋がります。猫ちゃんにしこりを見つけたら大丈夫だろうと放置するのではなく、早めに動物病院へ連れて行きましょう。
山口県防府市の「ファミー動物病院」
山口県防府市のファミー動物病院では日本動物病院会(NAHA)指定病院であり、大勢の獣医師と動物看護師が在籍しているファミー動物病院では、健康で豊かな生活の実現を合言葉に、幅広い獣医療を行なっています。
■ファミー動物病院
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